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広義のゴールデンウィーク初日。2週間後には感染の減少がみられるようにしたいという非常事態宣言発出時の、今となっては妄想的な修辞を素通りし、25日に感染の抑え込みが確認できないようでは東京もお終いだという東京医師会長の切実な訴えも状況の改善をもたらすことなく、都内は相変わらず100人を超える感染を確認して陽性率は上がり続けている。

マスコミ関係者に労組の連絡会議が行ったアンケートでは政権の報道への介入が問題視されていて、記者勉強会を通じて医療崩壊という言葉を使うなという要請があるというコメントすらあったから、いよいよ敗戦の色も濃い。現実とのギャップは拡大し、今さら自宅療養中に死亡する例が取り沙汰され、さらに今さら実態の把握に乗り出すと表明する有り様である。医療機関の装備の充足を可視化するという首相の声明とあわせ、実施されるところまで辿り着けばまだしもだが、1日2万件の検査を行うという話さえ、未だに遠い目標となっているのである。行政能力の絶望的な劣化は今や近隣諸国との比較において明らかとなった。

このところ、COVID-19によってまずダメージを受けるのは血液と血管であるという理路が見えてきて、それがウイルス自体にもたらす淘汰圧もさることながら、人類をどのように進化させるのか気になっている。それは、このウイルスを封じ込めるというイメージがどうも持てないからでもあって、ミクロからマクロの、個と社会の様々な層が環境の激変に見舞われるだろう。