『MIU404』の第9話を観る。「人を絶望させる場所」は『アンナチュラル』の第2話のイメージに通底して、両者が対となるべき双子の物語であるとの印象はさらに強まる。
ピタゴラスイッチのように分岐していく人生において、どうにもならない状況におかれる可能性は万人にあるとして、誰も気づかない、その絶望に耳を傾けるべきだというメッセージは坂元裕二も6月に放映されたドラマ『スイッチ』に織り込んでいて、共通するスイッチのモチーフはどこから来ているのだろうと思いつつ、当代の人気脚本家たちのこの表明は無論、まかり通る安直な自己責任論に対する憂慮、むしろ嫌悪だろうとみえて共感を表明せざるを得ない。