攻殻機動隊SAC 2045

明かされずにいた布マスクの4番目の調達先が福島復興課税特区のペーパーカンパニーで、最近登記されたばかりのあからさまに怪しい会社であるというのだから、今さら何の期待をかけるでもない政府の仕業だとしてもさすがに魂消る。もちろん真相は別のところにあるとして、これを追求する報道が立ち上がってこないとなれば、正義の回復を想定することもなく震災からこっち恣に国家を食いものにしてきた、ならず者どもの目論見通りというわけだ。この国の下りの坂道を歩く人生ならば、そうした衰退の景色を眺めることにもなるのである。

引き続き都下の検査数は少なく民間を含めた実数すら不明のまま、一方、北海道では第二波と呼ばれる感染確認の増加が観測されていて、非常事態宣言下の迷走のうちに四月が終わる。シンガポールでは外国人労働者に対する差別が一旦封じ込めたかに見えた感染の再燃を招いているという話だけれど、全て中途半端の結果、システムが機能不全となりずるずると敗退を繰り返す本邦の習性が、幅を利かせる自己責任論の帰結でもあると見えるのは興味深い。この病は社会の病理と表裏一体でもあるのだ。

Netflixで『攻殻機動隊SAC 2045』を観る。史郎政宗のマンガをCGでアニメ化しようという試みではかつて『アップルシード』があって、無論のこと技術の進歩とNetflixの資本はアニメーションのレベルをだいぶ底上げしている印象で、ピクサーというよりはPlayStationのゲームみたいなCGアニメだとして、オリジナルの声優の仕事もあってほとんど違和感なく観られる。ゲームっぽいといえば、モブキャラがゆらゆら揺れているのはどうかと思うけど。1話が20分ちょっとで今のところ12話構成なのだけれど、一気に観た挙句、話が完結していないという罠が仕掛けられていて、あれれとなっている。