そういえば今クールで話題となっていた『ルパン三世 PART6』の押井守脚本回を観たのである。場末のダイナーで来るかも知れない標的を待ち構える殺し屋たち。店のウエイトレスと最後に訪れた二人組のタランティーノ的な会話と、まぁ、設定はそれっぽくていいのだけれど、凡庸な美術と演出はどのように脚本を殺すのかを深く考えざるを得ない仕上がりになっている。ダイナーなのか、あれは。
いちばん喋るやつから殺される、銃が強いとは限らないというメタなセリフを超越するルパンと次元の特権的な立ち位置とか、プロトコルそのものが価値として認識される「お宝」とか、押井守っぽさを引き出すよすがはあるとして、面白味につながっていると思えないのはちょっと残念。