Netflixで配信の始まった『ドント・ルックアップ』を観る。ディカプリオも嫌いじゃないが、何しろジェニファー=ローレンスが好きである。すばる望遠鏡で地球に接近する彗星を発見したミシガン州立大学の大学院生とその教授が、Extinction Level Eventの予測をホワイトハウスに伝えるが無視され、テレビショーで訴えるがスルーされて、事態は政争の具とされていく。予告の段階から楽しみにして、143分をひと息に。
人類は滅びる。その具体的な警告に耳を貸さず、積極的に否認して陰謀論を唱えるのは何も本作に登場する女性版トランプといった設定の大統領ばかりではなく、地球を滅亡に導く彗星は無論のこと地球温暖化の現象そのものでもあるから、おもしろうてやがて悲しき話ではあるのだ。ここに描かれている人々が愚かであるのならば、それは我々の写しなのである。ほぼこの世界で起こっていることと同じである以上は、笑うに笑えないこの世の終わりではあるものの、大作というレベルの作り込みがされているので見応えがある。