パーマー

『パーマー』を観る。これもAppleのオリジナル映画で、ジャスティン=ティンバーレイクがかつて罪を犯し故郷に戻ってきた男を演じている。よくある再生の物語ではあるものの、故あって預かることになったジェンダー・ノンコンフォーミングの子供サムの面倒をみるうち、そのあり方を全肯定して自分も立ち直っていくというあたりが時代を写しとっており、質の高いドラマになっている。ジャスティン=ティンバーレイクもいいが、こうした物語がいつもそうであるように、サムを演じた子役のライダー=アレンが負けていない。才能というのは次々と出てくるものである。『テッド・ロッソ』でキーリーを演じているジュノー=テンプルがサムの母親で出演している。佳作。

日本のワクチン接種率がOECD37ヵ国の最下位であることは既に広く知られているけれど、軍によるクーデターで社会が混乱しているミャンマーよりも遅れているとなれば、やはりどうかしているのではないかと思う。自衛隊による大規模接種の成否は自衛隊次第とかいうコメントをするのがワクチン担当大臣である以上、好転は見込めそうにない。県内の小規模市町村は高齢者の接種が完了するのが8月の計画で進めているというニュースを見たのだが、世界のスピードからいえば周回遅れならまだしもというのが本邦の実力で、丸投げによって事の成否はそれこそ各人の努力次第というのが宿痾のようになっている。個人の能力差はせいぜい10倍、チームであれば2000対1の開きになるという論でいえば、国家としての組織能力は三桁のイメージで劣後しているであろう。