ライティングの哲学

Kindleのサイトで勧められて『ライティングの哲学』を読む。『書けない悩みのための執筆論』という副題が指し示す通り、Twitterやnote界隈で見かける書き手による座談会とアウトライナーを使った実践の記録が主たる内容となっている。執筆陣は皆Mac使いであるらしく、登場するツールは馴染みのあるものばかり。とにかくアウトプットするというあたりはナタリー=ゴールドバーグの指南に通じるところがあるけれど、こちらはそのための型に関心がある向きのための内容といったところ。かけがえのない存在だからこそ何を書いても意味があるという前者に対して、どうせ自分は何者でもないのだからたいしたものは書けないと諦めろと、東洋的ともいえる諦観が色濃いのは興味深い。そして、Tabula rasaを前に惑う人間そのものが読みものとしても面白いのはどうしてか。

今日から長い盆休みとなるひとも多いはずで、実質的なロックダウンのチャンスであったにもかかわらず、さほどのメッセージも出ないままこのまま成り行きまかせとなりかねない流れ。一方、自粛ベースの行動抑制だけで太刀打ちできないデルタ株の強力さには傍証が積み上がってきており、こんな状態ではどうにもならない。いや、そんなことよりこの日、BiSHのアイナとチッチの陽性が確認されるという大事件が起きているのである。