僕が君を嫌いな10の理由

『その年、私たちは』のエピソード3を観る。第1話から第2話だけでも傑作だと思っていたけれど、第3話もまた素晴らしい出来で、この脚本と演出のクオリティで全16話を完走するとしたら大変なことだと思うのである。恋愛映画の濃いところをうまくコラージュしたところがあって、参照している映画の雰囲気も感じるけれど、役者の仕事とキャラクターの魅力はそれを立体にして目が離せない。ポテチとポッキーの組み合わせと同じく、しょっぱいと甘いの繰り返しで無限に食べられる美味の道理により画面はダレず、話に飽きない。重要な要素である時間の扱い方とその表現は絶妙で、全16話を完走したら大変なことだと思いつつ、しかしこの制作であればシリーズ構成も周到に考えられているに違いないので、全体として大変な傑作になるであろう。この年の瀬にしかも年跨ぎで、高評価となる作品が出たものである。最高だ。

先週末、竜巻の群れがアメリカ中西部で発生して甚大な被害を与えたけれど、これまで何度も触れてきた『デイ・アフター・トゥモロー』で描かれたような気候変動のひとつの表出だと思っている。新たな変異株の出現でパンデミックの先行きは見通せず、インドネシアでは火山活動に加えてM7クラスの地震が起きて、本邦の地震活動の活発化も傾向的に継続している。ロシアのウクライナ侵攻準備とそれを牽制する動きで国際政治の緊張も高まっていて、この年末、どちらかといえば世界は世紀末の様相を呈してきた。