想定内

トライアスロンという競技に取り組もうという人は、もとから鉄人と形容されるような身体能力と固い意思をもっているに違いないけれど、暑いと言って済ますにはあまりにも過酷な気候のなか下水と区別がつかない海を泳がされるとあっては同情を禁じ得ない。そのゴールに出来した地獄絵図は、8年前から分かりきっていたことの不作為の結果なのである。いやはや。

新たな感染確認もさらにペースを上げて増加しているなかで、しかし対策を打つどころか、政治家は皆、気配を消し、メディアもそれを問題とせずオリンピックの話ばかりしているのである。今週も驚くべき数字が積み上がることは明らかなのだが、それでもピークということにはならないだろう。大都市圏の医療は既に崩壊し、地方でも急ペースで感染が拡大するなかで、死者の数はこれから増えることになる。その機序自体はこの1年半、繰り返し学んできたはずのことだが、最大規模での再演がどこで頂点に達するかは現時点で予想がつかない。