方法序説

Audibleに岩波文庫の『方法序説』があったので、これを聴く。17世紀の哲学者の考えをあらためて音声で聴くという経験自体がちょっと面白くて、科学の方法の原型を語る言葉はつまり現在と地続きの、個としての人間の寿命を越えた射程の長いもので、ちょっと感動する。そして第六部は、耳からは、何故、私はTwitterをやらないのか、そして止むを得ずTweetすることになったのか、という話に聞こえてちょっと笑う。このように、オーディオブックには脳のちょっと違う部分で共感を促す作用があるようで、興味深いと思ったことである。

竹中平蔵のトリマキだった窃盗歴のある大学教授にして内閣参与たる人間が、日本のコロナはさざ波と状況を嘲笑って顰蹙を買っている。同じとき、神戸では動脈血酸素飽和度が静脈血程度の70%台でないと入院できないという当局コメントに多くの人が戦慄していて、「さざ波」で医療崩壊の現実と、その状態にあってなお地方自治体任せで全体調整が何ら機能していない国家の現状が露呈している。政府が自衛隊に丸投げした1万人規模の接種会場運営は結局、民間に丸投げという話もあって、その無能を嗤う段階ですらない。