次の戦争

CDCがデルタ変異株を分析した内部資料の内容が報じられている。これまで言われていたことでもあるが、その感染力は水疱と同じレベルにあり、重症化のリスクが高く、ワクチンを接種済みの人間であっても同じように感染を広げる可能性がある。一番避けたかったはずのMask mandateがこの知見をもって復活することになった事実は重く、ワクチンだけではもとの世界には戻らないということを強く示唆する内容となっている。結局のところ、いわゆるブレイクスルー感染は考えられていたよりも多く起きているということだ。

どうして内部資料のリークというかたちでこうした見解が明るみに出たかについては政治的な介入が見え隠れするとして、流出したそれを真正であると認め、事実と科学の方法を尊重する基本的な価値観こそアメリカの強みであるには違いない。「次の戦争」を戦っているという現状認識の正しさが出発点となるだけで優位に立つことになる。もちろん、周回遅れでこのまま窮地に向かう本邦は、その基本においてこの10年、道を誤っているのである。