この日、全国の新規感染確認は1万人を初めて超える。首都圏の三県と大阪に非常事態宣言が出され、専門家はかつてない事態の到来を予告するが、政治家は語るべき言葉を持たず、もう打つ手がないという関係者の言葉が伝えられるばかりである。野党までが今さらオリンピックの中止は現実的でないと言い始め、いよいよ全体で思考停止に入ろうという展開となっている。オリンピックはステイホーム率を上げているという根拠のない虚言を都知事が述べるところをみても、今やこの狂騒を止める力学は働かず、行き着くところまで行った上で、さすがにまずいという事例が積み上がったのち自粛の作用が見え始めるということになるのだろうが、数ヶ月にわたって酷い状況が続くことだけは確かにみえる。
立憲民主党がオリンピックの中断について現実的でないという立場をとったことは記憶しておかなければならない。現状の是認が現実的であるというのであれば、野党はその役割をほぼ放棄しているということにはなるまいか。