ウガンダのオリンピック選手団9名が組織委員会のプロトコルに従って来日し、空港の抗原検査にかかったひとりをPCR検査したところCOVID-19の陽性が判明したそうである。事前にはPCR検査を実施して、いわゆる陰性証明を所持していたということだから、検疫と隔離がいかに重要かわかるというものだが、十数時間のフライトを共にした選手団は、抗原検査のみで、14日間待機免除の適用によってそのまま合宿先の大阪に向かったというあたりがこの事案のハイライトということになる。
この騒動を10万人規模に拡大した場合に何が起こるかは容易に想像がつくというものだが、実際に何が起きているかは、少なくともその渦中にあってはわからず、したがって有効な対策をとることもできないに違いないのである。入国した選手団が潜在的な危険因子のように扱われるオリンピックとは何なのかと思わざるを得ないが、本当に万全の検査を実施するのであれば当然、陽性結果は連日、検出されることになる。この政府と組織委員会であれば結局のところ検査自体を骨抜きにしようとするだろう。