認知的不協和

連日、耳を疑うような発言ばかり報道され、どうやら末期にある本邦で今さら、ワクチン2回接種を条件とした行動制限緩和を検討すると官房長官が言ったとかいう話で、まず行動制限などしていないではないかという訝しさは措くとしても、デルタ株がワクチン接種者によって伝播していくという知見が蓄積しつつある現在、今の発言がそれかと、またしても驚く。国際標準と科学的知見には一切、忖度しない我が国のコロナ対策だが、これでは負け戦も当然というものではないか。

この日、まず自宅療養というスガ発言がいう「体制整備」がいつのことかは知らないが、さっそく搬送困難事案が急拡大していることが伝えられる本邦のイマココ。しかし、ハイライトは、大阪の維新府知事の「大阪はこれまで通り入院が基本」という厚顔をメディアがそのまま流すというあたりである。医療崩壊を不可視化するというのは、まさにこのことであって、これでは大阪の第4波で犠牲となった人たちがまったく浮かばれない。

ニュースがポピュリストの道具となっている本邦では、歪んだ世界観において批判なく決定が行われ、その帳尻は国民が合わせることになる。