誰にも言えない秘密

引き続き『その年、私たちは』を観ている。今週、第5話はウンの幼馴染ジウンのモノローグ回で、回想によって感情をドライブしていくこの物語のよさが全編に詰まっている。事件も騒動もないのに話の密度が濃くてじっと見入ってしまうのがこのドラマで、相変わらず振り幅の大きい時間軸を行きつ戻りつしながら、その経過をきっちり感じさせる演出と役者の仕事のレベルが高い。そして『街の上で』ではどうでもいいとまで言われた時間の概念が、ここでは中心的な主題となっていることについて考えている。

この日、ヒト脳オルガノイドに電極を繋げて壁あてのテニスゲームを学習させたという記事を読む。感覚野と運動野が連携して学習を行い、AIに比べてもその学習の速さが特徴ということなのだが、そのコンセプト自体に己が内面を震撼させる何かがある。これが禁忌というものではなかろうか。そして、人間の脳を模すことによってそれが可能であるならば、AIというものもますますヒト脳に近づいていくことになるだろう。