本気で五輪を強行しようとしているらしいことにまず驚くのだが、その意欲の表れとして胡散臭い観測気球がいくつも上がっていて、観客に陰性証明書を提示させようというそのうちのひとつは、そもそも広範検査を否定してきた厚生労働省の流れからすると完全な自家撞着で、もともと道理を外れていた輩が一周まわるついでに全ての理屈を薙ぎ倒していくので、事態はますます混迷の度を深めている。
そして陰性を証明するのがPCRでなく、国産抗原検査であれば、空港検疫が事実上のざるであったことと同様、感染を速やかに広げ第5波か、ことによったら第6波を形成することになるだろう。それにともなって必ず出る死者は、オリンピックによる人流がなければ死ななくても済んだはずの人間たちなのである。