Knock Down The House

Netflixで『Knock Down The House』を観る。2018年のアメリカ中間選挙で民主党から下院議員選挙に出馬した4人の新人候補が、現職を相手に困難な闘いを続ける様子を描いたドキュメンタリーで、AOCが予備選挙で候補者として推されるところから記録されており見どころとなっている。民主主義の擁護者だったはずの彼の国が深く病んでいて、民主党ももちろん腐敗が進んでおり、しかしそれを変えるのは選挙であることを再認識させてくれる点で啓蒙的である。この映画のなかで当選を果たしたのはAOCだけだったが、ミズーリで現職に大差で敗れたCori Bushは、2020年に再挑戦して雪辱を果たしており、大きな動きはなお続いているのである。

2018年の中間選挙は女性候補が最多となり、当選もまた過去最多となったことでエポックを画したが、痴呆症状を呈した老人ばかりが幅を利かせている本邦の政治の今にこそ、この動きが必要だ。

尚早

変異株は減る理由もない以上は通常株を上回る実行再生産数にもとづいて明確な指数関数的増加に向けて拡大を続けている状況にあり、しかし検査が徹底されることもなく、なし崩しに非常事態宣言が切り上げられていく。既に政府に関わる専門家も懸念を隠そうともしない様子だが、本邦のコロナ対策は診断と実行が乖離しており、そもそも方針がないので結局のところ戦略の体裁をなしておらず、成り行きの結果以外、何ものも得ることはないだろう。

『書けないッ!? ~脚本家 吉丸圭佑の筋書きのない生活~』の第6話を観る。今話から演出が交代となって、微妙に空気感の違いはあるとして、引き続き面白いのはアイソメトリックなオープニングタイトルからして明らかなのである。コアな人気があるのは、Wikipediaページの充実ぶりが示している通り。

Red Planet

火星に着陸したローバーからの映像を飽かず眺めて、なるほど赤い星であると感心し、つい何か生命の痕跡を探している。地平を見れば生物のパターンを見出そうとするのは本能に根ざした反応のようで、もちろんいかなる生命も存在しないだろうという理性の声をうまく受け入れられずにいるのである。

その大地を孤立無縁の探査車が往き、見聞きした情報をただ地球に向かって送り続ける状況自体にブラッドベリの詩情がある。

Isometoric

遠近法のように消失点をもたない等角投影のイラストがテック界隈ではよく使われているけれど、モダンな色合いのレゴみたいな雰囲気が結構、好きで根気さえあれば自分でも描けるのではないかとYouTubeのチュートリアルを眺めている。日本語ではアイソメ図という不思議な呼び方もあるようで、探せば一大潮流をなしている印象もあって、SVGのパーツを使ってそれこそレゴのように組み上げることさえできそうだ。

そう思っていたらIcogramsというサービスを発見して、パーツを並べていくだけで3Dマップを描けるWebツールを提供しているので驚いている。こういうイメージのものが欲しかったのだけれど、とっくに実現されているとは。

大気圧

その後のニュースによると1号機の格納容器の圧力は大気圧と同程度となっているそうである。つまり、おそらくさきの地震の影響で水と窒素の両方が漏れている状態で、その箇所を特定する術はなく、近隣で放射能の影響は確認できていないが、沖合の試験操業ではクロソイから基準の5倍の放射性セシウムが検出されたというのが今の景色ということになる。2019年に同じくセシウムが検出されたコモンカスベは1.6倍で、エイ類は蓄積された影響を比較的に受けやすいのではないかと思うので、今回のクロソイは正しく異常を伝えているという気がする。

そして格納容器における水素爆発の可能性だ。現在の発電所敷地の状況を伝える声がないのが不思議なのだけれど、オリンピックは原発事故の影響によって中止となるのではあるまいか。

可燃限界

格納容器の圧力が低下しているというニュースが気になっている。推定原因としては水位の低下による損傷部分からの漏れということになるのだろうが、これによって格納器上部に放射線分解で生じた水素と酸素が溜まることだってあるのではなかろうか。

窒素封入設備の設置に関する東京電力の文書を読むと、電源喪失や津波の対策は今さらながらかなり重視されていることがわかるのだが、それは怖れの裏返しであって、4vol%の水素とそれと同程度の酸素が滞留するのにさほどの時間がかからないということは10年前に学んだ通り。金属の腐食が進んでいるのも悪条件で、既にメルトダウンしてしまっていることくらいしかアップサイドが見当たらない。

同期

最近、何故かUlyssesのiCloud Syncの調子がイマイチで、MacとiOSのファイルの同期が以前はもっとスムーズだったはずと、だいぶストレスになっていたのである。OSもアップデートしているので、そういうこともあるのかもしれんという諦観を持ちつつ、競合ソフトの検討もしようかというところだったのだが、いろいろ設定を変更してライブラリのフォルダアイコンをデフォルトに戻したらどうやら神速のファイル同期が戻ってくる。結局のところ、やったことと言えばおまじないに類することだけなのだが。いやはや。

地震後の水位低下に続き、福島第一原子力発電所の1号機で格納容器の圧力が低下しているという話である。水も気体も漏れているのに放射能の漏洩を確認できないというのであれば単に検知能力が低いのである。折しも、設置された地震計の修理を怠って半年以上も放置していたということも判明して、フクイチの手のつけられない廃墟に核燃料棒を放置したまま、手をこまねいているというのが実相ではないかという疑念は高まる。予想していたことではあるが、アンダーコントロールの実態とはそうしたものだったのである。