非常事態宣言(3回目)

つい先月、多くの専門家もこれ以上の非常事態宣言は意味がないという発言をしていたのを記憶しているのだが、早くもこの状況である。これまで17日間で収束、解除となった経験がないからには、今回も高い目標を掲げて再延長という展開が見えているのだが、そもそもステージ3を目指すという目標自体が改められた形跡がなく、ワクチンも望み薄である以上、変異株を抑え込めないままこの状況は下手をすると冬まで続く。

今回はゴールデンウィークも使って人流を抑えることを目的とするということなのだが、人流が直接の原因だということ自体は認めているので、やはり一連のGOTO政策は感染拡大に寄与したという整理でよろしいか。

汗牛充棟

『大豆田とわ子と三人の元夫』をTVerで観て、『ゴジラ S.P』の第5話をNETFLIXで堪能する幸せな木曜日。両方ともますます面白くて、大変素晴らしいな。このコロナ禍に、これほど質の高い物語が困難を乗り越えて編み出されていることを考えると一層、感慨深い。

マンガ図書館Zに『エリア88』全巻が登録されたという話を聞いたのだが、そういえばずいぶん前から『風呂上がりの夜空に』があったことを思い出して読んでしまう。何もかも懐かしい。主人公の辰吉は同世代なので、彼も50を越えたと思うと世界が止まるけれど、上等というほかない物語のよさはちっとも古びてない。

伏線回収

M1搭載の新しいiMacが発表されたAppleイベントを眺めて、技術という点ではiPad Proの12.9インチモデルに搭載されたmini LEDディスプレイということになるはずだが、そちらはまぁ、技術のさらなる進歩を期待することとして、トランスルーセント時代のiMacシリーズを彷彿とさせるiMacのカラーバリエーションに魅せられている。色といえばシルバーだったこの十数年、誰かが夢想したMADみたいなラインナップが登場することがあろうとは。あの時代をあまりにも懐かしく思い出す。

いや、買わないけど。

歴史的事態

アメリカまで出かけて選手団の派遣を要請したがあっさりスルーされたし、米国の国務省は渡航中止勧告を世界の8割の国に広げるという話だから無論のこと日本はそのリストの冒頭近くに並べられ、以ってオリンピックの実質的な中止勧告になると思うのだが、こうなれば無観客、無選手でも強行しかねない剣呑な眼の据わりが本邦の首相にはあって今後の展開は予断を許さない。ここまでの無様だけでも十分、歴史に名は刻まれたとして、最後は想像もつかないカオスが到来しそうな雰囲気も既に漂っている。

物書堂の春のセールが今週末までなのだが、この機会に手薄だった国語辞典を何冊か買い込み、勢い余ってegword universal 2も購入して縦書きモードを試している。基本は昔懐かしいエルゴソフトの雰囲気なのだけれど、ファイル管理などの基本的な部分はきちんとmac OSの標準に合わせてあり、細部がブラッシュアップされているのが好ましい。アイコンが刷新されているのも地味に効いていて、以前のアレはいかにも垢抜けないと思っていたのである。

非常事態

地元のCOVID-19感染状況はかなり深刻なことになっていて、人口5万人の茅野市で10万人あたりに引き直すと最近の感染は120人を越える勢いなので、あの大阪の状況を上回る。既に感染確認の出ている学校も濃厚接触者が確認できなかったという理由で休校になっていないというのだが、これまでの緩い定義と手ぬるい検査の対応では変異株が熾火のように残り、どこかで燃え広がることになるだろう。ウイルスを有耶無耶にやり過ごすことはできないということは、過去1年で学んでいなければいけないはずである。

大阪が非常事態宣言の発出を政府に要請するという状況で、政府が確保したというワクチンも会談の文脈を読めばどうやらただの強弁でしかない。自民党は高齢者のワクチン接種すら年内に終わらない可能性があると言い始め、こともあろうに医療機関の協力が足らないなどと不遜な物言いだから、国民はそろそろ怒ってもいいのではないか。ワクチンがないのにワクチン接種を呼びかける電通製のCMが繰り返し流される空虚がこの国の現在地なのである。

コントが始まる

『コントが始まる』を観る。今期は『ゴジラS.P』『大豆田とわ子と三人の元夫』に加えて、このドラマということになるだろう。面白い。秀逸なキャスティングだけでなく、冒頭のコントを語り直す脚本の筆致がやはり素晴らしい。意外にも4-6月期は豊作ということになりそうである。

努力を支持

本邦の首相はこの国難にアメリカまで出かけて五輪開催の決意を述べ、決意は支持してもらえずに努力を支持するという言質を頂いたそうである。食事を共にすることを主張して、京都ならぶぶ漬けという感じでハンバーガーを供されたという話もあったが、こちらとしては訪問の結果、ファイザーのmRNAワクチンと言わず、ベクターワクチンあたりを大量供給するくらいの土産が用意されていると期待していたのである。現地でファイザーのCEOに電話という寂しい落としどころで、国際電話の掛け方を知らないのではないかという観測を招いてしまったとは。いやはや。

国家公務員採用試験の申し込みが過去最大の減り幅というニュースがあるけれど、安倍政権からこっち優秀層から離脱していった結果のトドメというのが今日の姿であって「国家は人なり」の金言はいよいよ過去のこととして語られることになるだろう。