Presence V

『大豆田とわ子と三人の元夫』の最終話を観る。からの、『大豆田とわ子を知らない三人の男たち』で全編を締める。 このところ、『Presence』のIからIVをヘビロテしていて、最終話でVが加わったエンディングの作りまで含めて、なんと豪勢なドラマだったことか。最後の風吹ジュンのエピソードにも、それだけで映画になる文脈の厚みがあったと思うのである。

NHKのニュースを継続的にみていると、オリンピックについてはいよいよ強行モードに入っていることがはっきりわかって、報道内容もその伝え方も正気とは思えず、戦時体制の構築というのはこういうものだったかと実感できる歴史的な局面に我々は立っている。東京での新規感染確認も、いよいよ底打ちと再増加が明確になってきたタイミングで緊急事態宣言の解除である。こうなれば、あらゆる規制を緩和してオリンピックの影響を有耶無耶にしようというのが、現在の日本の政治なのである。

シェフは名探偵

TVerで『シェフは名探偵』を観る。最近、西島秀俊を見かけることが多い気がするけれど、無論のこと、以前から売れっ子なのである。近藤史恵の原作の三舟シェフとは少しイメージが異なるような気もするけれど、日常の謎ミステリにおける名探偵は、はまり役。結局のところ暖かい結末に落ち着いていく、この安定感こそウィークデーの夜に必要なんじゃないかと思うわけである。第2話はかなり冒険主義的な演出が入っていて、イマジナリーラインの想定にもかなりおおらかなところはあるけれど、これはこれでいいんじゃないか、うん。

国会は不信任案を否決して閉会に突き進むついでとばかり、土地規制法案の強行採決に及ぶのではないかという情勢で、いったいもう、何なんだ。とにかく選挙こそこの状況を変えうる手段であり、他にない。

エディター遍歴

少しリッチな内容のドキュメントをマークダウン記法で作れるのがウリのCraftというアプリがあって、エディターで作るようなテキストをキレイに装飾するユースケースが想定できないITライフを送っているので、こちらにとってはApp Storeで商品の紹介を眺めるくらいの存在だったのである。たまたまWebサービスのベータテストをやっていたので、これに登録して弄ってみる。なるほど。

確かに洗練された見栄えのドキュメントをあまり悩まずに作成して共有することが簡単にできそうで、デスクトップアプリとの共通化もきちんとしている様子である。Webベースアプリはかくありたい。重くないし、直感的に使えるUIも優秀に違いない。案の定、Safariでは日本語入力の挙動がおかしいのはご愛嬌として、Chromeでは問題ないのでかえって感心したのである。

やはり問題は、個人での具体的な用途が思いつかず、業務というにはあまりに小洒落ていてユーザー層がよくわからないあたりか。UlyssesがWebサービスも手がけてくれないかとは思っているのだけれど、それによって実現されるのはコレではないと思うのである。

小さな恋のうた

『小さな恋のうた』を観る。無論のこと、山田杏奈のファンである。この個性は必ずや日本映画界の至宝となるに違いない。ドラマの方は、王道の青春バンドもので、MONGOL800の音楽が劇中のスリーピースバンドのオリジナル曲として扱われていることがあり、その背景となるストーリーにいささか作り過ぎなところはあるにして、女優の存在の前に全ては正当化される。森永悠希が達者なドラムを披露していて、これにもちょっと驚いた。多才なのである。

本邦の首相はG7に出かけてまで、五輪の開催に合意を取り付けたということにしたい様子で、国内のメディアもカケラのような文脈を切り取ってこれをサポートし自らの価値を貶めているけれど、当然のことながらこの筋の悪い話にわざわざ関わろうという首脳はおらず、礼儀正しくスルーというのが実際の空気であろう。調子に乗って中国の名指し批判を繰り返していたということだが、スネ夫がジャイアンの歓心を買おうという構図で、国際関係における我が国の国益はほとんど意味もなく損なわれることになるだろう。

死神永生

『三体III 死神永生』を引き続き読んでいる。上巻の半ばを過ぎてから、物語のスケールはさらにアップして、そういえばこのところハードSFといえるジャンルの作品をあまり読んでいなかったと反省している。暗黒森林という壮大な宇宙観にもとづいて、ここまで風呂敷を広げた劉慈欣という作家の仕事には感心するばかり。ことに、宇宙的な距離の暴虐をきちんと描いているところには好感しかない。後半にかけてぐいぐい面白くなるのもいつもの通り。

『三体』世界の人類は基本的に気分によって右往左往する烏合の衆という扱いなのだけれど、オリンピックは断固として強行し、しかし期間中は感染防止のためテレワークに協力せよという本邦の有り様も似たような集団的な愚かさと終末感があってかなりやばい。コロナ禍においてもみえる人間の愚かさを煮詰めて示しているところに作者の慧眼があるとして。

INVASION

Apple TV+で、この秋に配信が予定されている『INVASION』の予告を観て、既にわくわくしている。10月が待ち遠しい。近日公開という『ファウンデーション』も、これは80章あるとかいう話で、ずいぶんと話が長くなる傾向がありそうだけれど、気合いの入った侵略ものであれば無論、異議はないのである。

本邦の政治家もIOCも口を開けば顰蹙を買うという状況で、オリパラアプリの事業費削減を巡ってはデジタル改革相が事業者を恫喝して費用を圧縮という顛末がニュースになっている。そもそも70億を超える正札がべらぼうというところはあるにして、二重三重に利権化しようというのがデジタル庁だというのも今やわかりきった話である。デジタルトランスフォーメーションどころか、税金抜き放題のIT改革によって国が滅ぶ。

たたかいのおわり

『ゴジラ S.P』の第12話を観る。クライマックスに向け、ひたすらに盛り上がっていく今回もみっしりと怪獣もののエキスが詰まっていて、よさしかない。そしてこの物語の問題は、あと1話で終わってしまうということに尽きると思うのである。