『大豆田とわ子の三人の元夫』の第8話を観て、第9話のあらすじをWebで確認して、ついでにチェインストーリーとして公開されているショートムービーを観る。大豆田とわ子と出会っていない三人の男たちがシェフとして働く「オペレッタ」の日常。脚本は坂元裕二の弟子筋らしく、のようでもあり、のようでもなし。三人のキャラがよいので何かと味わい深く、かなり好きかも。いちばんは伊藤沙莉のナレーションの密度が高いところ。

7月末にワクチン接種完了という自治体で、8月の接種予約となって困惑している高齢者のタレコミをもとに取材すると、7月末に68%は接種済みとなるので「接種完了」と発表したという話がニュースになっている。

この10年近く、政治と行政における言葉は為政者の都合で改変されることが常態となっているが、大本営発表を越えて、この国もいよいよニュースピーク語法の世界に向かっているのではないか。オーウェルの『1984』における言語の単純化は為政者の側からの抑圧に使われるが、政治の横暴に対して同じルールでボトムアップによって現実を歪めようというのが非常に日本らしい。中央の腐敗とリトルブラザーの生き残り戦略の結果、社会はまるごと腐っていくだろう。