矢作俊彦ならぴったりの文脈で使いこなすのだろうが、夜郎自大という言葉はスケールが大きいだけに使いどころが難しいと思っていたのである。しかし、すっかり没落国家となった本邦の現在にあっては、むしろ言葉本来の意味で使えそうな場面が多くて、もう何といったらいいか。地球規模で恥をさらす河野太郎の英語Tweetに加え、麻生太郎は日本のコロナ対応が「先進国でもっともうまくいっている」と言っているそうである。漢時代の夜郎の精神性というのも、まぁ、こうであったには違いない。
ワクチンの接種がいち早く進んだイスラエルで、ワクチンの有効性が94%から64%に低下したというニュースがある。デルタ株の感染拡大と規制緩和の影響ということだが、してみると大規模治験において確認されたワクチンの効果には行動規制の効果があらかじめ算入されているということになり、そうであるとも言えそうだが、どうだろう。mRNAもインフルエンザワクチンと同水準の効果ということであれば、重症化の予防効果はあるとしてワクチンだけでこの厄介な病を抑え込むには無理があるということになる。