ゾンビランド ダブルタップ

『ゾンビランド ダブルタップ』を観る。『ゾンビランド』の10年ぶりの続編で、監督も同じルーベン=フライシャーなのだけれど、他の数多の二作目と同様、世界観の提示が新鮮だった初代に比べて印象としてはだいぶ平凡。当時、ゾンビ映画のルールをメタに楽しむ趣向が楽しかったけれど、ジャンル映画がジャンルそのものに言及するようになった時、その分野は衰退に向かっているという言説の妥当性を、10年後の本作をもって証明しているようにもみえる。特にパンデミックを経験した世界では、このジャンルの荒廃は一気にすすんでいて、ポストパンデミックの景色を更新するとびきりの一作が待望されているのではなかろうか。

東京都のモニタリング会議が状況を猛威災害レベルで制御不能としたうえ、市民と危機感が共有できていないと言い始める。そもそも本邦の首相は人流が減っているという認識だったし、ワクチンもすすんでいるから大丈夫だいう論を張っているのである。都知事もオリンピックがステイホームを促しているとさえ言っていたのだから、そもそも危機感がないのは当局ということになる。そのうえ、自分の身は自分で守る意識が必要とまで言うようでは、政治は機能していないとなっても仕方ないのではないか。次第に地方での感染確認が増加して、各地で過去最多を更新する事態にもなっていてるけれど、見通しは暗いと言わざるを得ない。そもそも猛威災害の状況にあって、パラリンピックをどのように開催しようというのか。