An Apple Original

Apple Oneに入っているのでApple TV+はときどき利用しているけれど、10月22日から『インベージョン』の配信が始まるというので楽しみにしている。予告トレイラーを見る限り、本格的な侵略ものというに十分な出来とみえ、忽那汐里が出演しているようなので驚いている。オーストラリア出身で、日本の芸能事務所は退社しているという消息も初めて知る。東京も舞台のひとつで、菊地凛子も出演しているみたい。

『テッド・ラッソ』の第2シーズンはそろそろ完結するだろうけれど、Apple Originalでは『ファウンデーション』も観ることにしたので、それなりに稼働率が上がってきている。配信はなぜか金曜日と決まっているようなので、週末にかけバックログが溜まる傾向になるのが難といえば難。もう少しバラしてもいいのではないかと思うのだけれど、iPhoneの発表が火曜日と決まっているように、そのあたりには妙に頑なな会社なのである。

3月のライオン #16

『3月のライオン』の16巻を読む。連載も12年という話だが、今や印刷された媒体で読む唯一の漫画となった。もちろん何もかもが移ろっていくとして、物語の時間軸は現実ほど加速されてはおらず、この巻では年末年始の濃厚で幸せな時間を丁寧に描いているので、じんわり温まる。いい。

この日、自民党の新しい総裁が決まる。ほとんどひと月近く続いてきた報道の狂騒も落ち着くということであればそれだけが救いだが、来たる衆議院選挙が国民にとって首相選択の機会とならなければこの国は滅ぶ。一方、その当選人から民主主義が危機にあるというコメントがあったのには驚きもあって、その点については全くその通り。

新機能

iPadOS 15を導入したけれど、結局のところ従来と同じ使い方しかしていないという反省があって、新機能の解説に目を通している。メモ本来の用途を突き詰めた進化には好ましいところがあって、文字認識の装備とあわせ使いこなしたいところだが、ついいつものアプリを開いてしまう。結局のところ自然と享受しているのは性能の向上がもたらす体験の進化が中心で、そういえば近頃、iPhone 13 Proを導入したのだがカメラの出来栄えにはやはり驚いたのである。かつて、ハード・ソフト協調設計というは日本の会社が得意とするところだったけれど、残念ながら、ここにもはや出る幕はないみたい。

海街チャチャチャ #10

『海街チャチャチャ』を引き続き観ている。もう、ここで終わりでもいいよという満足の第10話、『スタートアップ』の仇を『海街チャチャチャ』で討つ。冒頭から意想外の立ち回りがあって、海の賢者が心の深層を見抜き、幼い日の因縁まで明らかになる盛り沢山の趣向で何かと充実している。しかしあれだ、30年前に行き合っただけの家族のことを覚えているというのはアリなのかね。

この日、月末での緊急事態宣言の解除が決まる。しかし、指数関数的な減少の局面にあって、たとえワクチンの接種率が高くても感染の拡大は容易に起きるというのは数多の先進国で実証済みの事象なのである。さっそくGOTOの復活が取り沙汰されるのも、もはやわざとやっているとしか思えないが、どうなのか。

Sprite

結局のところ『僕の姉ちゃん』を最後まで観て、これまでピンと来たことのなかったOKAMOTO’sまで気に入って『Sprite』を繰り返し聴いている。エピソード終わりのシークエンスからこのエンディングテーマ、そしてポストクレジットシーンにつながるリズムと空気感が好きである。それらを統べる黒木華。そして全10話を監督している吉田善子というひとはもともとCMのディレクターらしいのだが、記憶しておくべき仕事ぶりだと思うのである。

このところのニュースでは、退陣の決まっている首相がアメリカの大統領に呼びつけられて渡米したことが伝えられているけれど、こちらの事情は全く関係なく呼び出されて思惑の片棒を担ぐパシリぶりには、この国の対米従属の文脈が久しぶりにくっきりと前景化して痛々しい。菅などどうでもいいのだが、ナショナリストでもないのに、これは国そのものを痛々しく感じているようである。

「僕の姉ちゃん」

『僕の姉ちゃん』を観る。益田ミリのマンガをもとにしたドラマで、黒木華が名言の多過ぎる姉ちゃんにピタリと嵌って、表出は対極にありながら小林聡美と似た空気をまとい、2020年代の日常系ジャンルでは既に挙げるべき傑作となっている。海岸にほど近い鵠沼の一軒家でのマガジンハウス的生活は、このようにして新たな世代に引き継がれたのである。

テレビ東京系列での地上波放送は来年ということなのだが、Amazonプライム・ビデオでは全10話を先行配信という形態なので、うかうかすると一気に観てしまう面白さで、配信でありながらオープニングテーマもエンディングも音楽をしみじみ聴きたくなる1話25分の起伏が好ましい。原作のマンガの情報量はミニマルなので、画面の一切はドラマとしての構築なのだが、黒木華のレトロな柄のワンピースひとつ素晴らしく、そんなキャラクターから「会社にいけ好かない女がいる」という先触れのセリフが出てくるのである。

ファウンデーション

Apple TV+で配信の始まった『ファウンデーション』の第1話を観る。アシモフの原作をモダン化した結果として現出した銀河帝国には、もちろんいろいろと素晴らしいヴィジュアルがあってさすがのクオリティといえ、登場人物の多さと時間軸のスケールも難なく消化していきそうな予感がある。カット数が多いのに、どれも作り込まれた画面になっているのはさすがだし、これを80話というなら偉業というべきだ。唯一の困難はその道のりの長さとなるだろうから、今から勤勉に観続けるほかないのである。ときどきオーディオに乱れがあるのは、たぶんTVクライアントの問題で、これもAppleの仕事なのだが、こちらはちょっといただけない。

この日、病院で起きた25人のクラスターのうち2回接種済みが24人、1回接種が1人というニュースがあったのだけれど、ここだけ切り取ればワクチンに感染防御効果はないということになる。ううむ。