強靭性

ハリケーンIdaが熱帯低気圧に変わり、その影響でニューヨークに記録的な豪雨がもたらされる。時間を追うに従い死者の数も増えるほどの被害が生じているようで、ニューヨークの地下鉄では車両とホームの間にウォーターカーテンのような水流が落ちている映像も流れてきたけれど、その状態で運行が継続していることに驚く。システム全体のサーキットブレーカーが動作していないのか、ものともしないほどの冗長性があるのか。人の営みを支えるシステムの強靭性が試される局面がこのところあまりにも多いと感じるのだけれど、まず、それを災害というのであろう。

『おかえりモネ』は全編でも重大な場面に来ていて、トピックをフォローしているとファンの考察も熱い。コインランドリーを舞台に菅波先生とりょーちんの台詞の文脈が対照をなしているという点には思いが至っておらず、はたと膝を打って、なぜコインランドリーなのかを考えている。楽しい。

Getting Out

Podcastで『This American Life』を聴く。このプログラムはときどきタイムリーなエピソードを入れてくるのだけれど、この回のACT1はカブールの空港で、カナルに身を浸しながら警備のカナダ軍兵士の注意を惹き、脱出機の列に加えてもらおうとするカナダ市民たるアフガニスタン人の話。携帯電話で繋がっているカナダ人との会話の録音が素材になっているのだけれど、稀であろう好条件を持ったこの家族すら、行きつ戻りつする幸運の前髪を何度も掴み損ねる様子がリアルタイムで進行して、このまま音信が途絶したらどれほど後味が悪いかと思ったことである。しかし現実には、その後味の悪さの方が圧倒的に多い。

バイデン大統領は並外れた成功であるといったこの撤退で、米国民ですら取り残されているという話を聞けば、いろんな状況はあるとしても So much for ‘No man left behind’. という『The Pacific』の台詞を想起せざるを得ない。

この日、COVID-19の国内感染者累計が150万人を超える。そして、100万人から150万人に積み上がったのがこのひと月以内という時間軸に全てが圧倒される状況に何ら変化のないまま9月。