地獄が呼んでいる

『地獄が呼んでいる』を最後まで観る。神の意図を問うという困難な題材を扱っているのはいいとして、ついに登場人物も意味がわからないと言い始める最終話。もちろん、神の意図の不明を人間が利用するという物語なので、わからなくていいというものではあるものの。前半と後半の印象がかなり異なる物語でもあったけれど、続きがあるようにも、ないようにもみえる終わり方は悪くない。これを10話といえば長すぎるが、この構成で6話完結というのはちょうどよかったのではなかろうか。いや、物語は完結しておらず、ひょっとすると序章くらいの状況ではあるとして。

人間と怪異がもたらす理不尽でショッキングな場面が見どころのドラマではあるけれど、役者の演技にも凄味があって、ことに前半、刑事の娘を演じるイ=レの場面には鳥肌が立ったものである。陰惨な復讐を遂げた人間の複雑な感情というのは、なるほどこのように発露することになるのであろう。

IDE

年末近くになると、ブラックフライデーにかこつけてUdemyのいろんなコースが割引のセールとなるので、興味のある分野を衝動的に買い揃えることになる。このあたりはSteamのゲームと同様で、全てを消化できる目処はないとして、権利を留保するための購買行動であり、デジタルに固有の、極北の消費行動という気がしなくもない。

それはともかく、今回はPythonの復習というような意味合いの講習をいくつか確保したので、ようやくベストプラクティスが見えつつあるM1 Macでの環境構築のついで、Jupyter notebookをVisual Studio Codeで動かし、仮想環境上のPythonをインタープリターとして選択するようなところまでやったのだけれど、VSCodeにいろいろと拡張機能を導入して設定を細かく調整しているうち、自然と使い勝手が良くなってきて感動している。

そもそもソフトウェアは初期設定に近いかたちで使うのを信条として、ゴリゴリと細かい固有の設定をしていくのは好きではないのだけれど、統合開発環境の持ち味は拡張機能の多様性であるからして、素の状態でよさを理解するのは難しい。それはおくとして、ショートカットキーを覚え始めたことで学習曲線の立ち上がりを自覚できるようになったのが楽しい。MarkdownでEmmetを使えるようにし、ブロックエディター的な操作にも習熟すると、アウトラインから膨らませていくような書き方が自然とできるようになるので心地よい。習うより慣れろとはよく言ったものである。

無論のこと、Gitとの連携はこれ以上のものはないし、OSを選ばないというのも例えばUlyssesにないよさであって、しばらくここに住んでみようかという気になっている。

地獄が呼んでいる

Netflixで『地獄が呼んでいる』を観る。このところオリジナルシリーズはUHD 4Kのコンテンツが多くて、没入しながら観ないともったいないような気になるのだけれど、今日のところは全6話のとりあえず4話まで。第3話までが第1部というべき体裁で、第4話はそれから4年後、変わってしまった世界の出来事という構成になっている。超常的な存在から予め宣告された死というストーリーとあわせ考えると『DEATH NOTE』を強く想起せざるを得ないわけである。『イカ・ゲーム』が『カイジ』とは異なる話であったように、せいぜいがインスパイアとでもいうべき相似だけれど、世間的に評価の高い物語構造を使って世界を構築していく方法論が垣間見えて感心する。韓国ドラマの勝率が高いのには、それなりの理由があると思うのである。

Microsoft 365の最新チャネルに新しいUIが配信されてきていて、スプラッシュ画面も白くなって微妙に新鮮。実用としてはクイックアクセスツールバーのデフォルト位置が変更になるくらいの差異ではあるものの、気分というのは大事なのである。

ファウンデーション #10

『ファウンデーション』シーズン1の最終回となる第10話を観る。後半は何だか話が停滞したような印象があったのだけれど、最終盤に頑張ってシーズン2に繋いだ感じ。どのあたりがいいかといえば、やはり人の因縁と時間経過をきちんと描いているところで、大逆罪の結果として親類縁者の一切が抹殺されるというエピソードが対比をつくっている。その話が直接に描かれることはないのだが、ブラザー・デイの語りだけで帝国の強大な力を想像させることに成功しているあたりに、この困難な映像化の目指すべき方向があるのではなかろうか。オリジナルとしか言いようのない展開とその結末であるからには、この上、シーズン2がどこに向かおうというのかはやはり気になる。

『インベージョン』の第7話もいい感じに話が進んでいて、忽那汐里のパートの微妙な「ハリウッド映画に現れた日本」の感じが好き過ぎる。

カウボーイビバップ

Netflixで配信の始まった『カウボーイビバップ』の実写版を観る。日本では英語のキャプションが演出として使われるのと同じことなのだが、日本語がタイトルバックに流れ、ついそれを読んでしまう違和感はあるとして、制作側のリスペクトが伝わってくる丁寧な作りで、ジョン=チョーのスパイクも慣れるとそれっぽくて悪くない。何より、UHD 4Kの画質は素晴らしいもので、大画面で楽しむべきコンテンツであろう。何でも実写にすればいいものではないと思ってはいたのだけれど、ストーリーもほぼオリジナルをなぞる忠実さで、コスプレの楽しさもあって、基本的にファンの仕事ぶりなのである。まぁ、よろしいのではないだろうか。

designstripe

以前、加工可能なイラストを探しているときに開発中の告知があって登録しておいたdesignstripeからサービス開始のメールが来ていたので覗いてみる。シンプルなパーツイラストを任意の組み合わせとカラーで構成して出力できるというサービスで、レイヤーの概念をうまくサービス化しているし、何しろアウトプットが明確なので特定用途のエポックになるのではないかと思っている。このレベルのイラストをカスタマイズして使えるというのであれば、月額料金を払うという向きは結構あるのではないか。現時点でのEarly bird priceは月20ドル。ちょっと登録してみようかという気になっている。

現時点での素材もわりあいあるのだけれど、少し遷移していくとcoming soonとなっているところもあるのがサービス開始直後という感じだけれど、基本的には表示動作だし、素材の追加でサービスが拡張できるというのはビジネスモデルとしても良さげ。それなりのユーザーを獲得するのではあるまいか。

ザ・モーニングショー

このところ習慣的に観るコンテンツはApple TV+に傾斜していて、金曜日から週末にかけての消化が立て込む一方、ウィークデーのコンテンツが手薄になるので、これまで手を出してこなかった『ザ・モーニングショー』を見始めている。配信はシーズン2の終盤だけれど、Me tooムーブメントを同時代として扱っているシーズン1第1話から。登場人物が皆キレて怒鳴っているという評はその通りで、怒りの感情を吐き出し、ぶつかり合いながら物語がすすむので疲れる。

ちょっと興味があったのでVimの基本的な教養を身につけようとNeovimをインストールして弄っている。『実践Vim』を読んでノーマルモードの良さが何となくわかってきたというところだけれど、その良さは英数文字を使うとき遺憾なく発揮されるものであろうという気もまたする。