罪の声

『罪の声』を観る。星野源と小栗旬の主演ということで話題になっていた本作だけれど、塩田武士の原作をもとに野木亜紀子が脚本を書いて土井裕泰が監督をしているというところが肝心で、142分とはいえ本来ならこの尺に押し込むことが難しいはずの原作をみっちりと凝縮した脚本も見事なら端的でキレのいい演出も気持ちがいい。原作でイメージした通りの映画を目のあたりにして、原作ものの名手と言われた野木亜紀子の仕事にも、土井監督の手腕にも感心したものである。

脚本家の独自の世界観がもっとも表出するのはラスト10分で、こればかりは書きようのないシーンを、映画だからできる表現で盛り込んできたのはさすがプロの仕事だと思うのである。星野源と小栗旬の演技プランはだいたいいつも通りだけれど、役者陣の厚みもあって大作を観たという充実感がある。

Blender

この日、衆議院選挙の結果として自公維新の改憲勢力が2/3議席を確保したことが伝えられる。右翼ポピュリストであり、実質的にファシストでもあるこの小政党が、今回投票の受け皿となったことは、この国の政治史に暗い一節を残すことなるような気がする。来夏の参議院選が意外に重要な岐路となるのではないか。

少し興味があったので、Blenderをインストールして3Dの基本的な操作を試してみている。オープンソースのこのソフトは無料であることがうまく飲み込めないくらい完成度が高く、使いこなしをハナから諦めるほどの高機能でソフトウェア開発の底知れぬ奥行きを感じさせる。興味深い。

いろんな支援があるなかで、最近、Appleがパトロンに名乗りを上げたようだけれど、M1の能力を使い切ることができるほどの処理といえば先は3D演算となろうし、EpicがUnreal Engineを持っていることを考えると競合しそうなところもあって、このOSSがおかれている戦略的な局面そのものもかなり面白いことになっている。