仮面病棟

『仮面病棟』を観る。坂口健太郎は嫌いじゃないのだけれど、出演作を選ばないというイメージがあって、アタリハズレが結構あると考えている。本作はいいとこなしというべき内容で、おそらく原作となっている小説からして、どうでもいいようなストーリーをグダグダに展開しているのだろうけれど、雰囲気だけで支離滅裂な話でも、それなりに演じようとしているのは偉い。しかし、逃げ出そうというシーンで「逃げろー」などという脚本でいったいどうしろというのか。永野芽郁が怪我をして苦しんでいる場面が仮病にしか見えないのも、半分程度は演出の出来に由来すると思うのである。全体として、ある種のキワモノ感があるのが面白味といえなくもないが、感心するようなものではない。

オミクロン株への対応ではこの日、日本到着便を規制しようとする動きが取り下げられる。日本国民が帰国しようとすることも難しくなるという判断もわからないではないとして今回、世界の動きに呼応して早々にいわゆる水際対策を強化しようとしているのをみると、早期の対応の必要が明らかであったデルタ株への対応が後手後手でしかなかったのは、やはり東京オリンピック開催への忖度があったということだと思うのである。そのために一体、何人が犠牲となったのか。