もともとファイザーとビオンテックのコロナワクチンは、ひと瓶で5回の接種ができるとされていたけれど、残量が少なくなる特殊な注射器を使うと6回接種が可能となって、貴重なワクチンがそれだけでも2割増の勘定となり、人類の知恵とは何と力強いものかという話だったのである。
本邦で確保したことになっている7,200万人分のファイザー製ワクチンは、これまで1本あたり6回の接種ができると自治体に説明されてきたが、肝心の注射器は普通のやつで、これだと5回にしかならないというのが発覚したそうだ、ところが。実際には6,000万人分というのが、この国の実力だったのである。
ベクトン・ディッキンソンが製造する特殊器具の増産対応が難しいことは2週間前にロイターが配信していて、まず、何を今さらということではあるのだが。一事が万事、このチグハグな体たらくでは、繊細な温度管理が必要なコールドチェーンオペレーションを完遂できる気がしないが、大丈夫なのか。