DOMDOM

『お耳にあいましたら。』も、いつの間にかエピソード7。伊藤万理華と松本壮史監督の評判はここにきて非常に高まっているけれど、このドラマは『サザエさん』のように面白さを語りきれないところが面白くて、主人公の高村美園と実際の伊藤万理華は似ても似つかないに違いないと考えつつ、しかしこのキャラクターはこれしかあり得ないと思って観ている。今回紹介されている外食チェーンはドムドムハンバーガーで、この街にもあった店舗が消えてからずいぶん経つので、旧知の消息を久しぶりに聞いたという感慨が先に来る。

災害の時に政治が気配を消すというのは安倍政権からの姑息な習性となっているが、成り行き任せの作戦不在のまま12万人近くが自宅に放置されこの疫病がいよいよ猖獗を極める状況において、このまま引きこもってやり過ごすことができるとでも考えている節がある。もちろん、そんなはずはない。この日、渋谷に開設された若年層対象のワクチン接種会場は先着200名という触れ込みで開始されパンデミックのさなかに長蛇の列を作り、若者のワクチン接種意欲を可視化する社会実験と化す。この常識と展望のなさこそ、本邦の不幸を象っているようにみえる。