South of The Circle

ゲームというものに時間を投じる習慣がないので、Apple Oneで利用できるArcadeも使ったことがなかったのだけれど、ちょっと気になっていたSouth of The Circleをダウンロードして、このところコツコツと進めていたのである。とはいえ、ナラティブ・アドベンチャーと紹介されているようにゲーム性はほぼなく、わずかな入力に従い映画のように画面が進行していく。冷戦期の南極とケンブリッジでの思い出を行き来しながら、不可解な状況の謎が明らかになっていくという趣向なのだが、特筆すべきはミニマルで美しい画面と絶妙な演出で、一本の映画に等しい厚みがある。

シナリオをクリアするのに累積すると4時間近くかかっていたようなのだけれど、適度に参画を促すシステムがよくできていて飽きない。まず珍しいことに最後まで堪能したのである。