『ある用務員』を観る。高校の用務員として働く男が、実はヤクザだった父を殺され殺し屋として育てられた経歴をもっていて、組織の跡目争いをめぐる殺し合いに巻き込まれるという福士誠治主演のアクション映画。『ひらいて』の芋生悠が出演していて、前野朋哉がラスボスというあたりが見どころ。
ストーリーはあるとして、高校を舞台にした異常者揃いの暗殺者集団との無情な殺し合いを撮りたかっただけなのではないかという気がするし、まぁ、それだけといえばそれだけ。主人公の福士誠治はほぼ作業服姿なのだけれど、新品のそれが馴染んでいないあたりに本作の印象が集約されている。ラストのくだりは不自然なほどに長いのだが、ことに芋生悠が歩み去る遠景は違和感が大きすぎて、演出としてはいろいろダメなのではなかろうか。