アンダーウォーター

『アンダーウォーター』を観る。クリステン=スチュワートが主演の極限状況もの。深度1万メートルに建設された海底掘削基地が地震により損傷し、取り残されたクルーたちは別の基地に向かおうとするが、得体の知れない生命体が出現してこれを阻む。私企業が極地開発をおこなっている設定と現場の雰囲気は『エイリアン』そのままで、深海に舞台を替えて換骨奪胎を試みようという企画の趣旨は明確だし、速やかに外壁が破断しリグが崩壊していく冒頭のシークエンスは緊張感があって観入る。

謎の生物ではなく圧力によって失われていく仲間という進行も悪くないのだが、原子炉を装備した深海基地が圧壊したり、海底を歩いて移動したりという基本的な設定は、さすがにいかがなものか。水圧の扱いが都合良く見えるので、科学考証にも疑義が残る。一方で存在感控えめかと思えたクリーチャーが、エイリアンでもプレデターでもなく、クトゥルー的なイメージにスケールアップしていく終盤は素晴らしい。なるほど、やりたかったのはこれかと膝を打ったものである。

『鎌倉殿の13人』はサブタイトルが「修善寺」となった第33回。これを「終 善児」と読んだ勘のいいTweetがあったのを思い出して感心したのである。