『エルピス -希望、あるいは災い-』を観る。冤罪報道に取り組もうと奮闘するバラエティ番組の制作者という物語の設定からは、ちょっと思いもよらないほど面白いのでびっくりしている。さすが、渡辺あや脚本。そして、プロデューサーは『カルテット』の佐野亜裕美、筆頭の監督には大根仁、音楽に大友良英というからまず、豪華な布陣なのである。
「飲み込みたくないものは、もう飲み込まない」という長澤まさみはもちろんいいし、三浦透子の凄みにも感心するのだが、眞栄田郷敦による自己肯定感の高い、しょうもない男の語りが、やけに味わい深い。圧倒的な目力を押し出した、ふざけた存在感もいいし、不穏な奥行きも垣間見せて第1話としてのヒキは十分。今クール最大の収穫になるのではなかろうか。