Netflixで配信の始まった『エージェントなお仕事』を観る。STUDIO DRAGONの新作なので、もちろんクオリティは折り紙つきというところだが、このスタジオの作品は最近、品がよくなってアクのようなものが薄れてきたような気がしなくもない。登場人物がiPhoneを使う韓国ドラマというのに慣れていない。『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』で親友のトン=グラミを演じたチュ=ヒョニョンが全く異なる雰囲気で出演していて、もとは喜劇役者だというこの人の奥行きを感じる。
この日、法務大臣は死刑にハンコを捺すだけの地味な役回りなどと愚にもつかないことを言って顰蹙を買った閣僚が更迭される。『エルピス -希望、あるいは災い-』が直接的に扱う死刑制度をめぐり、ここまで醜悪な共感性の欠如を見せつけられると、現実はドラマより出来が悪いと思わざるを得ない。そして優れたドラマが時代に呼ばれるのを、またも目の当たりにしてるのである。