ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結

『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』を観る。2016年に同じくマーゴット=ロビーがハーレイ・クインを演じたデヴィッド=エアー監督版『スーサイド・スクワッド』のジェームズ=ガンによる容赦のない「やり直し」とみえて、いったん集結したスクワッドが上陸作戦のドタバタで全滅する開巻15分には笑う。生き残ったのはフラッグ大佐とハーレイだけという作品的暗喩から出発して、ドラマツルギーの常道を敢えて外してくる脚本が面白いのだけれど、 R15+にしてもかなり張り切った描写で派手なアクションが続き、さすがジェームズ=ガンと感心する。

しかし、たかだか数年前に大々的に売り出した前作を敢えて否定する企画でいこうというDCもひょっとしたら定見がないし、ここまでコケにするジェームズ=ガンも敵が多そうで、全員悪党を地で行く雰囲気の制作の裏側こそ興味深い。サメ人間のナナウエのCVにシルヴェスター=スタローンを当ててくるキャスティングにも悪意を感じてしまうから、正しい意図を明らかにするというのは大事なのである。