『チェーンソーマン』の第1話を観る。始まる前から煽りに煽る番宣をかけて、楽曲にも資源を厚く配分するというスタイルで、投資も大きいがリターンも見込めるという大きなプロジェクトである。アニメスタジオのMAPPAが、製作委員会方式によらず出資を行なっているということだが、自らのクオリティコントロールでより大きなリターンが見込めるとなれば、自ずから作品品質も上がるというものだろう。そして実際に、初回から驚くべき作画なのである。
一方で、会社の劣悪な労働環境についてアニメーターによる内部告発が行われていることを知れば、さもありなんという気がして、あらゆる偉大な仕事と分かちがたい搾取の闇の奥行きを想像する。このあたりは『この世界の片隅に』を世に出した会社というプロファイルとは馴染まない気がするとして。
そして、作品そのものは、原作の世界観に従ってあまりにも血みどろなので、猟奇事件でも起これば窮屈な社会では自粛を余儀なくされるだろう思ったのだけれど、まぁ、いかにも余計な心配というものである。