『パーム・スプリングス』を観る。2020年のタイムループものの映画。カリフォルニアのパームスプリングスでの結婚式に参加した男ナイルズが、その一日を繰り返している。そのループに途中から加わることになったサラは時の輪から脱出しようとあがき、いったんは諦めるけれど、一念発起して量子宇宙の謎を解明して日常に復帰する方法を見つけ出す。無限に繰り返す時間があるなら、知力を極めることで状況を解決できるはずという前向きな世界観はたいしたものだが、タイムループものとしてのアイディアは水準レベル。どちらかというと人生を取り戻すという人間的な復権に関心のある物語なので、ループの謎や脱出方法に意味を求めてはいけないということであろう。他人の結婚式の1日を繰り返すという恐ろしい設定ではあるものの、アンディ=サムバーグとクリスティン=ミリオティがいいので観られる。
この日、プーチンがウクライナに宣戦を布告して、露軍は縦深にウクライナ各地を攻撃する。核攻撃力に言及して国際社会を威嚇しつつ、アメリカがかねて警告したように首都キエフの占領を目指しているようにみえる。ここまでの横紙破りを予測した者は少なかったが、おそらくはロシア内部からのリークによって、米国はこの帝国の意図をあらかじめ知っていたということだろう。政権転覆が当面の戦略目的ということになるはずだが、電撃的な作戦によってそれが可能であるかはよくわからない。何より、プーチンは歴史にどのような名を残すことを望んでいるのだろうか。