ランボー ラスト・ブラッド

『ランボー ラスト・ブラッド』を観る。前作に『最後の戦場』という副題がついていたくらいだし、その原題の『Rambo』にもある種の潔さがあって、三部作から20年後の登場だとしてもシリーズの掉尾を飾るには悪くない作品だと思っていたのである。それがさらに10年経って、第1作『First Blood』を閉じる『Last Blood』だと言われれば何だか余分な話になるのではないかという予感は禁じ得ない。

その予感はちょっと斜めな感じに的中し、やはり蛇足だったという以上に怪作というべき内容に仕上がっている。社会から爪弾きにされた主人公は晩年をメキシコに程近い農場で過ごしていたのだが、我が子同然という娘が巻き込まれたトラブルをきっかけにメキシカンカルテルと命の遣り取りをすることになる。父親の農場の地下に、迷宮のような地下通路を作り続けているジョン=ランボーはベトナム戦争のトラウマで精神の均衡を崩しているというあたりの説明でいいとしても、全体のクライマックスはアクションというより、ホラーのテイストの演出に終始して、いつの間にかジャンルが遷移していて何だかびっくりする。Netflixの本作紹介に「身の毛のよだつような」というタグがついているのは、作品本位の評価だと感心したものである。本当のところ。