IMFは世界経済見通しをさらに修正して来年の成長率を2.7%においたことを発表する。7月の改訂時点で既にリスクが主に下方にしか存在しないとしてことを踏まえれば、ほとんど既定路線といえるけれど、改めて2%を下回る確率が25%としたことは、この先の見通しにも厳しさしかみえない。このインフレ修正の過程はコロナ禍での財政支出拡大の巻き戻しでもあるので、既に起きてしまった危機であるからには。
過去10年で世界の債務は90兆ドル増加したそうだが、経済成長による増加は20兆ドルに過ぎなかったという。金利上昇をこの差分の取り立てのプロセスと考えれば、自由落下に近い衝撃があるのではなかろうか。結局のところ、古典的な金融秩序からの警告には、もちろん相応の理由があったということである。現在のところ、世界の潮流とは全く異なる道をすすんでいる本邦にしたところで、このまま独立変数であるかのように振る舞うことができるとは、とても思われない。