世界各地で異常気象が常態化して、ヨーロッパでは昔の人々が川底に残したハンバーストーンがみえるという話も聞く。川底の石に”If you see me, cry”という意味の碑文が残されているという、それ自体は以前から知られているものとして、この夏の熱波のニュースと重ねると、取り返しのつかない気候変動の終末感が深まるというものである。
中国も記録的な猛暑と旱魃に見舞われているそうである。長江が干上がって水位が大きく下がり、川岸から地割れの続く写真を見る。これに対し、たばこ大のヨウ化銀ロッドを雲に打ち込んで人工的に雨を降らせる対策が講じられているという。ヨウ化銀による人工降雨実験の話は何十年も前から聞くけれど、1961年に統計をとり始めてから最長という64日にわたる熱波であれば、そもそも雲さえないというものではなかろうか。蟷螂の斧のスケールの大きさに、ちょっと劉慈欣の短編を思い出す。