桜島の噴火は避難を促す警戒レベル5が発出されて一時、緊張感が高まる。今のところ過去の大噴火のようなことを予見させる動向はないようだけれど、『死都日本』の読者であれば漏れなく破局噴火の到来の予感に打ち震えているはずである。
少し前にグリーンランドの氷床が猛烈な勢いで溶け出しているというニュースを呼んだのだが、全て溶ければ海面を7.5メートル上昇させるという話はもちろん直接的な影響として、長くこの土地に加えられてきた重量がなくなることは、どのような影響を地殻に及ぼすのだろうと思ったのである。地球が身動ぎすることによって起きる地殻変動は、溶岩の噴出をともない温暖化ガスをますます増大させるに違いない。
恒常系の破壊による変化は巨大な振幅によって人類を翻弄することになる。ヨーロッパでの山火事に続いてヨセミテの火災も空前の規模となっているようだけど、この夏がいちばん穏やかだったという未来があっても不思議はない。