地獄の花園

『地獄の花園』を観る。永野芽郁が世界観の説明をするタイトルバックまでの語りは面白いのだが、それだけといえばそれだけ。102分と比較的に短めの尺ではあるけれど、題材としてはコントのそれという気がするし、後半はカンフー映画となり結局のところ日常に回収されるところまで描いては、いったい何だったのかということになる。男女を二分した社会構造を風刺的に描いている今どきの映画なのに、どうやらジェンダーというものについて奥行きのある考えが何もないというというのは、かえって驚くべきことである。本邦の現在地についてのメルクマールにさえなるだろう。

この日、ロシア外務省のザハロフ広報官がイチゴを食べている奇妙な自撮り映像をポストし、これを伝えるニュースアカウントはとうに常軌を逸しているクレムリンの現在を心配する。

There is something seriously wrong with Moscow.

たしかに人間の壊れる過程を見ているようで、その映像には人を不安にさせる何かがある。