『子供はわかってあげない』を観る。主人公の朔田美波を上白石萌歌、門司くんを『町田くんの世界』の細田佳央太が演じた2021年の映画。同名のマンガが原作で、監督は沖田修一。もとは2020年に公開予定だったので、上白石萌歌の実年齢と近いところでの撮影だったと思うのだけれど、この美波が実によくて、当人10代のベストアクトではないか。沖田修一の長回しの画面で、マンガみたいなマンガのキャラクターを演じてリアルとしかいいようのない美波を定着させているのは、この役者の仕事なのである。
冒頭の劇中アニメからして結構な尺なので一体、何が始まるのかという感じだし、風鈴や蚊取り線香といった夏の記号もそれっぽく使われるわけでなく、そうめんの代わりにうどん、スイカの代わりにバナナという話なのだが、夏の一回性を感じさせる物語の何と尊いことか。
この日、ウクライナ侵攻がなければ実施されるはずだった米露首脳会談の予定がキャンセルされ、そのことによって事実上の侵攻が認定される。未だGOPの有力者であるトランプが、プーチンを天才と褒めそやしたうえで、独立派の国家認定を口実とした進駐と同じことを米国がメキシコで行うこともできると発言したことが伝えられる。バイデンの支持率が低調であることを考えれば、コレが再び大統領に返り咲いてもおかしくない世界線に我々はいるのである。いやはや。