引き続きCOVID-19の影響を受けた21年度も、儲かっている会社は儲かっているらしい決算のニュースが続いているけれど、足もとの不確実性はどこも高まっているに違いなく、例えばアップルの製品は上海ロックダウンの影響でかれこれひと月、納期が6月という状況にあって、つまり1年のうちの何割かの売り上げの計上が延期されているのだから、今期業績への影響もやがて顕在化するのではないか。これを回復させるとして、製造のキャパシティをスケールアップしないことには、流通から蒸発した在庫を復活させるのも容易なことではないが、そもそもキャパを増やすにも調達が滞る状況なのである。
分断されたグローバルサプライチェーンが正常化をみるのは、数ヶ月よりも長いスパンになると思う。自動車でも工場の操業が低下してる様子だけれど、売り上げが立たなければ費用の投下を抑えるというわけで、悪影響は波及的に拡大して家計にたどり着くことになる。我々はちょっと想像のつかない大混乱のなかにあって、それを感知できずにいるだけなのだ。