この日、OPECプラスで日量200万バレルの減産が決まり、エネルキー供給をめぐる先行きの不透明性がさらに増す。リセッションの到来が不可避の状況で、需要の減少をあらかじめ織り込んだ減産が、エネルギー価格の高騰を高止まりさせるという経路で金融引き締めの効果を減殺する。この複雑系の動きがどこを目指すのかは俄かにはわからないけれど、負のフィードバックを強化するのは、どうやら間違いない。
グローバルがより高密度に繋がり、資源を無尽蔵に消費して、無限の複利成長を目指そうという世界はどうやら停止しつつある。パンデミックと戦争が、もとからあった無理を増幅して取り出したと考えれば、同じ世界を取り戻すことは後退であると考えるべきだろう。個人にとっては、ゼロサムの強化された世界で自由と平等をどのように守っていくかが幸福を決める時代になるということである。