渡河作戦

この日、ドネツ川に架橋しようとしたロシアの侵攻軍が、ウクライナの反撃に遭い大損害を被ったらしい一連のTweetをみる。いうまでもなく、現在の戦争も地形と天候に従い、補給と有限の軍事的資源がその遂行を左右する。多くの歴史が渡河作戦の失敗をその後の潰走と絡めて語ることを考えると、今さら侵略者側の目論見が達成されることもないようにみえる。

しかし、グローバルな経済体制に組み込まれいかなる産業のサプライチェーンも自国完結出来なくなった国が隣国に侵攻するとは考えられないという道理もまた、見た目にはそれ以外にないように思える以上、軍事的勝利の積み重ねが戦略に寄与するのは、ロシア国内の動きに連動する経路を辿るしかない気もする。独裁者の打倒だけが、わかりやすい帰結を教えてくれるだろうが、現時点ではそれには長い時間がかかりそうである。