内閣改造後の支持率が大幅に下がったことを示す世論調査が伝えられたこの日、自らもCOVID-19に感染した首相は軽症でオンラインでの公務を続けているというニュースが流れるが、添えられた写真は、官邸に設られたモニターに映る内閣総理大臣と、その前に立ち並ぶ記者団という珍妙なもので、どことなく弔問客の雰囲気がある。これが葬儀なら悼まなければならないのはジャーナリズムの死であろう。
記者クラブの実態を示し、政府がいうデジタルを活用するという言葉の空疎を表現しているという点において、写真そのものは痛烈な批判性を持っていることだけが救いだとして、その含意を見て見ぬふりというのが、この茶番の当事者の無惨でもある。