諸行無常

地震の影響で先週の配信が滞っていた『平家物語』を最終話まで観る。物語はいよいよ壇ノ浦の戦いを語って閉じる。短い尺に義経が梶取を射ることを命じる場面まで盛り込んで、さまざまな説を巧みに踏まえた決戦を描いている。名を惜しむというキーワードによって、なぜ、徳子が生き残ったのかというあたりが説明されていると思うのだが、どうか。

全体にクオリティの高い作品で、これと『鎌倉殿の13人』が重なる時代を扱っているのはもちろん偶然として、夏には同じ古川日出男の『平家物語 犬王の巻』を原作として野木亜紀子が脚本を書いた『犬王』が控えているので、このあたりが2022年の基調となっていくであろう。諸行無常。