軍拡

この日、首相が今後5年程度で防衛費をGDPの2%程度に増額する指示を財務大臣と防衛大臣に行なったということが伝えられる。財源がないから予算化できないということではなく、いろいろ工夫せよという訓示が添えられていたという話からは、いよいよ戦前の雰囲気になってきたという感じがする。かねての円安水準では、米国製の武器を買い揃える購買費が自動的に膨らむ構造だろうから、斜陽の国が一層、貧しくなる機構は既に国防の中核に埋め込まれているのである。

同じ日、中国で政府に対する抗議活動が活発化しているというニュースが次々と伝えられる。政権は国内統制のために外部的な緊張を求めるという論からすると、これも材料ということになる。23年以降の世界はいよいよわからなくなってきた。