この日、国会ではCOVID-19下でのマスクの着用ルールを定めていくという政府の方針が示される。マスク規制の緩和を行おうというのである。いわゆるグローバルスタンダードに従って、なけなしの個性と優位性を手放してきたのは明治維新以来の伝統とはいえ、たまに国会を開けば業界要望の消化みたいな話ばかりと思って苦々しくみている。
ワクチンの4回目接種を受ける人数はトレンドに従って減少し、第8波による死者は第7波の数を超えてくるだろうが、あらゆる因果を無視してマスク着用の是非だけが論じられることになるだろう。同じ入力に対して異なる出力をしようというのだから、狂気の一形態のようにもみえる。戦術レベルの対応のために戦略優位を放棄しようというのであれば、もちろん愚行というほかない。